Topic mobile/ja

From Mobile Computing Lab at NAIST
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モバイルコンピューティング・ワイヤレスセンサネットワーク・アドホックネットワーク

大規模災害における救命救急支援のためのネットワーク

地下街におけるスマートフォンの光を用いた避難誘導方式

 地下街が停電し,避難が必要である状況では,地下街が停電すると,壁や床等が見えない状況下にお かれる.そのような状況下では唯一の目印である避難誘導灯を用いて避難することになる.しかし先行研 究によると避難誘導灯を利用する避難者は2割程度であり,避難誘導灯は 避難誘導の役割を十分に果たしているとは言えない.  本研究では,避難者の携えるスマートフォンの発する光(バックライトとフラッシュライト,総じてスマホ ライトと呼ぶ) を用いた避難誘導方式を提案する.避難すべき方向(避難方向) に光の帯が流れるように見 えるよう,各スマホライトを制御する手法を取る.避難者は光の帯が流れるように見えた方向に避難すれば よいことになる.

提案するシステムは避難誘導装置とスマートフォンからなる.避難誘導装置は無線LAN を具備し,電源は非 常用電源に接続されており,非常用電源が入ると起動する.給電された避難誘導装置は,あらかじめ設定さ れている避難データを近隣のスマートフォンにブロードキャストする.避難データを受け取った各スマート フォンは,あらかじめ設定されている分散型アルゴリズムにしたがって,避難方向に光の帯が流れるように 見えるよう,スマホライトを制御する.提案手法では,光の帯は一定の幅を持ち避難方向に等速に移動する ものとし,光の帯の範囲内にあるスマホライトを点灯させる手法を取る.また,要素技術として位置推定ア ルゴリズムと時刻同期アルゴリズムを用いる.

本稿では,森山らの避難行動実験で利用された地下街においてスマートフォンを携えた避難者が500名存在 すると仮定し,避難者視点による3D動画を用いたシミュレーションを行った.シミュレーションの結果, 避難者視点から光の帯が避難方向に流れるように見えることを確認した.また,提案手法を用いない3D動 画,提案手法を用いた3D 動画を著者らの所属する学生3名に視聴させ,5つの評価項目(壁の視認性がよい, 不安感がない,正しい方向に避難しているように見える,光の帯が流れているように見える,避難方向に 光の帯が流れるように見える)に対して5 段階評価で評価するアンケートを実施した.アンケート結果に より,提案手法ありは提案手法なしに比べ,高評価の割合が高いことを確認した.


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実写写真を利用した簡易3Dバーチャル空間作成手法

大規模な事故や災害において多数の傷病者が発生したとき,救援者が傷病者の位置や状況,周囲の状況を迅速に把握する必要がある.また,現場の地理に不慣れな救援者が,本部からの指示により特定の傷病者に対して指示された処置を行う場合に,周りの状況と,該当傷病者の位置を3次元グラフィックスで確認できると便利である.本稿では,このような目的に使用するための,簡易3D バーチャル空間作成手法を提案する.現場で撮影された写真と,位置推定技術を用いて,周りを見渡すことのできる3D バーチャル空間を手早く作成し,その上で傷病者の3D オブジェクトや状態を表示することが可能である.また,特定の傷病者の位置を3D 空間上で確認したり,3D空間に表示された傷病者の状態を確認することができる.


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遅延耐性ネットワーク

大規模災害により,被災地の通信インフラが破壊された場合,災害情報の収集と共有が困難となり,避難活動や救援活動に大きな支障をきたします. 直近の関東・東海大震災において,以下の問題点が浮き彫りになりました.

  • 広域通信網の脆弱性: 携帯電話網が完全に麻痺し,災害発生数日内に通信不可となり,十日間経ってもつながりにくい
  • 情報遮断による被害拡大: 避難場所に集まる避難者は外部との通信手段を失い,津波や余震など二次災害に対する避難情報がもらえず,被害が拡大した

本研究では,インフラが機能しない災害現場において携帯端末を携えた救急隊員間でDTN (Delay Tolerant Network) に基づいた通信を行うことで災害情報を災害対策本部のサーバにできるだけ早く収集し共有する方法を提案しています.提案手法では,救急隊員の行動モデルを考慮し,情報伝送効率を向上させる方法を検討しています. モバイルアドホックネットワーク(MANET)では,端末のモビリティおよび,不 均一なノード密度分布により,ネットワークがところどころで切断し,非連結 な部分ネットワーク群に分割される場合があります.キャリーアンドフォワードを 用いるネットワークは切断/遅延耐性ネットワーク(DTN,Disruption/Delay Tolerant Network)と呼ばれ,このような環境において,メッセージの転送を 端末によるキャリーアンドフォワード方式で行うことでメッセージの到達率を 向上させることが可能です. これまでにキャリーアンドフォワードを用いた経路制御手法が複数提案されて きました.コンタクトオラクル(いつどのノードとコンタクトするかとい う情報)を利用してコンタクト待ち時間が最小になるパスの選択を行うMEDや, 過去のコンタクト履歴情報を収集してコンタクト待ち時間を予測するMEEDとい う手法が提案されています.また,ノードのモビリティを利用してトポロジを予 測する手法など,DTNを対象とした経路制御手法が多数提案されています. これらの既存手法は,いずれも遅延時間を小さくしデータ到達率を高めること を目標としています.それに対し,本研究では,ユーザはBluetooth通信可能な携帯電話やノー トPCを所持し,歩きながら情報を共有するシステムを通信インフラなしに実現 することを目的としています.

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BalloonNet:災害復旧のための建物包囲型無線ネットワークノード配置法

被災地における救助活動のための無線ネットワーク環境を素早く構築するシステムを目指し,ネッ トワークノードの配置場所を決定するアルゴリズムを提案する.無線ネットワークノードを風船に取り付 けて建物周囲の空中に配置することで,建物全体をカバーできるネットワークを構築する.本研究では無 線電波が屋外から屋内へ伝搬する際の電波強度の減衰を求める独自の電波減衰予測モデルを使用し,建物 の構造を考慮した効率のよいノード配置が可能である.3 つのベンチマーク手法と比較を行ない,提案手 法の優位性を確認した.


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研究業績

  • Shinya Matsuo, Weihua Sun, Naoki Shibata, Tomoya Kitani and Minoru Ito : "BalloonNet: A Deploying Method for a Three-Dimensional Wireless Network Surrounding a Building," in Proc. of the Eighth International Conference on Broadband and Wireless Computing, Communication and Applications (BWCCA-2013) (28% acceptance ratio), DOI:10.1109/BWCCA.2013.28, [ PDF ]
  • Ishimaru, Y., Sun, W., Yasumoto, K., Ito, M.:DTN-based Delivery of Word-of-Mouth Information with Priority and Deadline, Proc. of 5th Int'l. Conf. on Mobile Computing and Ubiquitous Networking (ICMU2010) (27th, Apr. 2010). [ PDF ]
  • * 孫 為華, 石丸 泰大, 安本 慶一, 伊藤 実:メッセージの重要度と配送期限を考慮したDTN経路制御手法の提案と評価, 情報処理学会研究報告(DPS), In-Press (2010/05/21).[ PDF ]

モバイルアドホックネットワーク

モバイルアドホックネットワーク上での効率のよい情報検索

本研究では,モバイルアドホックネットワーク(以下,MANET)上で効率の良 い情報検索を行うための新しい方式を提案する.提案方式はユーザの需要情報を 利用することにより,少ない通信量と早い検索時間,高いデータ可用性(MANET 上にあるデータが高い確率で検索可能なこと)を達成する.提案方式では,効率 の良い情報検索を行うため,予めカテゴリ分けされたレコード(共有データの単 位)をそのカテゴリの需要が高い領域の近傍に複製する.そのために対象とする 領域をエリアと呼ぶ小さい領域に分割する.MANET上の移動ノードはカテゴリ ごとに各エリアで出されたクエリの数を集計し互いに交換することで得られる需 要情報を集約・共有することで,カテゴリごとエリアごとの需要を決定する.レ コード作成・登録時には,そのレコードのカテゴリに対する需要の高いエリアに, レコードを送信することで複製を作成する.また,レコード検索時には,検索した いレコードのカテゴリに対し需要の高いエリアをシステムが自動的に特定し,そ のエリアに対しクエリを送信する.通信コストを抑え,各ノードが特定のエリア のノード群に対してメッセージを効率よく送信できるようにするため,GeoCast プロトコルの一つであるGPSR に基づいた通信方式を考案し採用した.平均検索 時間と通信コストが最小に,レコードの可用性が最大となるように,各カテゴリ のレコードの複製先エリア集合を決定できることが望ましい.そのため,準最適 な解を見つけるヒューリスティックアルゴリズムを開発した.大阪市中心部の地 図を用いたシミュレーションを通して,提案方式が検索時間,通信コストの点で, 複製を情報作成地点の近傍に複製する方式と比べて,最大でそれぞれ,73 %,29 %良い性能を達成することを確かめた.

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研究業績

  • 榎本 真, 柴田 直樹, 安本 慶一, 伊藤 実, 東野 輝夫:MANET上での情報検索のための需要に基づいた情報複製配置方式, マルチメディア、分散、協調とモバイルシンポジウム(DICOMO 2006)論文集, pp. 137-140, (July 2006). [ PDF ]
  • Enomoto, M., Shibata, N., Yasumoto, K., Ito, M. and Higashino, T.: A demand-oriented information retrieval method on MANET, International Workshop on Future Mobile and Ubiquitous Information Technologies (FMUIT'06). [ PDF ]
  • Hanano, H., Murata, Y., Shibata, N., Yasumoto, K., Ito, M.: Video Ads Dissemination through WiFi-Cellular Hybrid Networks, Proc. of PerCom2009, pp. 322-327 (2009)[ PDF ].
  • 花野博司,村田佳洋,柴田直樹,安本慶一,伊藤 実:WiFiと携帯通信網を併用した動画広告配信手法,情報処理学会第16回DPSワークショップ論文集,pp.267-272(2008)[ PDF ].
  • Takashima, E., Murata, Y., Shibata, N., Yasumoto, K. and Ito, M.: A Method for Distributed Computaion of Semi-Optimal Multicast Tree in MANET, IEEE Wireless Communications and Networking Conference (WCNC 2007), pp. 2570-2575, DOI:10.1109/WCNC.2007.478 (March 2007). [ PDF ]

ワイヤレスセンサネットワーク (WSN)

水中センサネットワークにおけるセンサ位置推定方式

近年,海洋調査などの目的のため,広範囲の海域に情報収集のための水中センサネットワークを構築する技術が注目を集めています.センサネットワークではイベントの発生場所や故障機器の場所を特定するため,各センサノードの位置情報を求めることは重要です.しかし,水中センサネットワークでは電波の減衰によりGPS が使用不可能なため,各センサノードが自身で位置情報を知ることは困難です.本研究では,水中センサネットワークにおいてすべてのセンサノードの位置を正確に推定するため,水面を移動可能な船型のアンカノードを用いた位置推定手法を提案しています.提案手法では,まず海底のセンサノードと通信可能な海面上の領域からアンカノードがセンサノードと信号の送受信を行い,信号の到着時間差から各センサノードまでの距離を測定します.1 つのセンサノードに対して一次独立な3 地点からの距離が分かれば,それらの情報とセンサノードの水圧センサから求めた水深を用いて三辺測量により位置を推定できます.提案手法では,アンカノードがそれらの地点をすべて回りかつ移動コストが小さくなる経路を導出し,その経路を実際にアンカノードに移動させることで,すべてのセンサノードの位置を推定します.


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研究業績

  • 松本啓司, 勝間 亮, 柴田直樹, 安本慶一, 伊藤 実:水面を移動可能なアンカーノードを用いた水中センサネットワークのノード位置推定手法の提案,情報処理学会第49回モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会報告原稿 (MBL-49), Vol.2009-MBL-49 No.5, pp. 1 - 7(2009)[ PDF ].
  • Matsumoto, K., Katsuma, R., Shibata, N., Yasumoto, K., Ito, M.: Minimizing Localization Cost with Mobile Anchor in Underwater Sensor Networks, Proc. pf 4th ACM International Workshop on UnderWater Networks (WUWNet'09), Article No. 14, DOI:10.1145/1654130.1654144 (Nov. 2009). [ PDF ]